シンプルかつ軽量な革靴、マルコ
blueover ブルーオーバーのラインナップで初期シリーズに展開されたモデルmarco マルコ。
ブルーオーバーの定番モデルであるマイキーと共通したシンプルなアッパーパターンでありながら、マテリアル、ソールユニットを変えることでまったく異なる表情を生み出しています。
スニーカーながらも、革靴のような大人の表情を持つマルコは、ジャケットなどのコーディネートにもはまるユーティリティ性の高いモデルとして好評を得ていました。
しかし当時の革の調達状況や、デザイナーの思い描く姿として、まだまだその姿は完成形ではありませんでした。革靴としての存在感、シルエット、ソール設計など、こまかなディティールを幾度も検討を重ねるため、一度はリファインされた形でデリバリーされましたが再度生産されることは無く、いったんコレクションラインナップから姿を消すことになりました。
ラストシルエット
そこから数年歳月がたつことになります。
その間にうまれたモデルcaironカイロン。ブルーオーバーではもっともハイエンドなモデルであるカイロンは、ラストそのものを見直し、グッドイヤー製法を使用。革靴としての造形を「ブルーオーバー的言語」で明確に打ち出したモデルです。
カイロンのラストは、マイキーに使用しているラストをベースにノーズを伸ばし、ウエストを絞って、よりフォーマルな場でも冴えるようなラストを作り上げています。
今回のマルコは、そのカイロンラストをベースに使用。履いたその姿はシンプルかつエレガントに、それでいてスニーカーとしてのはき心地は維持することを目指しました。
シンプルながらもこだわりのスペック
アッパーパターンは初期のマルコ同様、マイキーのパターンをベースとしながらも、すべてのパーツの幅や長さのバランスを調整。共通のパターンではなくオリジナルとして生まれかわっています。
履き口はスニーカーとしてアイコン的な、「内縫い」処理を採用、中にスポンジが配置されているので、足を入れたとき、革靴にはない吸い付くようなしっかりとしたフィット感があります。内装であるライニング材は通気性に優れているピッグスキンを使用。
インソールはハーフインソールながらも、クッション性のあるフェルト敷いています。このマルコは素足で履いても蒸れにくい、快適な履き心地です。
表に現れるデザインはシンプルでありながらも、各所こだわりが詰め込まれた仕様となっています。
マッケイ製法
そして今回のアップデートでは、底付けの工程を「セメンテッド製法」から「マッケイ製法」に変更しています。マッケイ製法は多くの革靴で用いられている製法であり、軽快な歩き心地とやわらかい足入感が特徴です。
ソール交換も、加工底と中底で接着されているため、セメンテッド製法のソール交換に比べて、アッパーにダメージが少なく、破損率も低くなっています。
これまでセメンテッド製法のマルコでもソール交換を求められていましたが、状態によっては不可のものもありました。しかしこのマルコは、以前のマルコに比べ、より長く履き続けることが出来る一足となっています。
形態は機能に従う
最大の特徴であるソールユニットは、これまでの加工底とはまったく異なる、特殊な設計を施しています。マッケイをかけた中底を包むようにソールユニットを作製しているため、ソールユニット交換のしやすさと歩行時の安定感が増しています。
結果、他に見られない特徴的な形状のソールユニットとなりました。しかしこの形状は過飾ではなく「形態は機能に従う」という、ルイス・サリバン提言の設計思想に基づいています。
※アウトソールにはビブラム社を採用。実績と物性には申し分ないスペックとなっている。
革靴となるスニーカー
マルコは革靴の佇まいを現しながらも、スニーカーの装着感、軽量な履き心地を与えてくれる一足に仕上がりました。
今回のマルコは、デザイナーが描く姿にもっとも近く完成されたものとなり、これからのブルーオーバーのスタンダードとなる一足です。
革靴とスニーカーの境界をなくしたそのシームレスな価値観は、舶来品の文化をルールに縛られず柔軟に取り入れ、自らの手で新たな形や文化へと昇華していくという、日本人の持つ価値感の側面として捕らえました。
オンオフどちらにもはまるユーティリティ
マルコはスニーカーとしてのアイコンを持ちつつ、革靴としてのフォーマルさを兼ね備えており、オンオフどちらのシーンでも着用しても違和感のないユーティリティの高いアイテムとなっています。
カラーリングもブラック、チョコ、キャメルとジャケットなどとのスタイリングにも重宝する定番のカラー展開です。
ショートブーツ展開
今季のマルコには短靴モデルに加えて、ショートブーツモデルも存在します。
くるぶしを覆うショートブーツは、履くとスポンジ全体がやさしく足首を包み込む心地よいフィット感があり、スタイリングとしてもワークブーツのようなハード過ぎない印象を与えることができます。
カラーリングもマルコ同様、ブラック、チョコ、キャメルの三色展開です。
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ブランドコンセプト
ブルーオーバーは「新しく変わらない」をコンセプトとしたこの日本国内で少数生産するスニーカーブランドです。ノックダウンという生産方式をとらず、一足一足の生産工程を日本で行っています。
ソールユニットは神戸長田の加工底技術を絶やさぬよう、昔ながらの工程を踏んで生産。この時代、工場の規模も多種多様あるなか、自分たちにあった生産方法で、地に足を着いた進め方をしていきます。
その中から新しいメイドインジャパンの姿を探しだし、これまでとは異なる新しさ、変化し続け、そこから残り続ける普遍性を工場と共に生み出していきます。
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