ラッピンノット(wrapinknot)これからのファクトリーブランドの姿
2017SSから新しくストラクトで取り扱いが始まりましたニットブランド、ラッピンノット(wrapinknot)。
今日はこのラッピンノット(wrapinknot)を2017SSより取り扱わせていただく理由についてご説明したいと思います。
ブランド紹介
ラッピンノット(wrapinknot)は2012年のSSからスタートしたニットウェアを中心とした日本のファッションブランド。
ブランド自体の歴史は新しいですが、このブランドを展開しているのは全国的なニットの産地である新潟県五条市にて50年以上の歴史を持つ、日本有数のニットメーカーである「ウメダニット」が手がけています。
技術の継承と新しい可能性
本来OEM(OEM=他社アイテムの製造)としてこれまでにも名だたる有名ブランドのニットを手がけてきた「ウメダニット」ですが、ラッピンノット(wrapinknot)ディレクター梅田大樹氏は自社の強みを十分に活かせる先として、OEMという選択から脱却し、自社でブランドを起こすことを選びました。
培った技術と経験を活かしながら、自らのブランドのニット対し現代的な解釈をおこない、その技術の継承と新しい「ニットの可能性」を見つけ出そうとしています。
このブランドの特徴であり強みは、自社内でニット材の開発から縫製まで一貫管理で行えることにあります。
ファクトリーの多くは事業規模の側面から、材料開発や縫製は別で製作するなど、分業形態をとる形が多いのですが「ウメダニット」は国内有数のニットファクトリーであり、規模も大きい工場のため、自社で一貫した製品開発が可能となり、他の追随を許さない上質なニットを作り上げることができます。
そしてラッピンノットは、ニットの品質だけにとどまらず、他素材のと融合(布帛との組み合わせ)や立体裁断仕立てなど、特殊なニットを作り上げることが可能であり、さらにその高い技術を、外部からデザイナーを招集することでファッションというフィルターをしっかりと通し、高い次元での品質とコストを兼ね備えたクオリティの高い製品が生み出されています。
そのアイテムたちは、これはこれまでのファクトリーブランドが展開してきたプライベートブランド(PB)から一歩踏み出したこれからの姿を感じさせてくれました。
ファクトリーブランドの未来の姿
これまでのファクトリーブランドは高いハード面(製造技術)を持ちながらも、ソフト面(表現力)を活かしきれないものが多く、PBの価値としては「値ごろ感」といった打ち出し方を全面に出す手法が多く見られました。
つまり「高品質なのに、この価格で提供はお得」といった一面です。
そのためにはデザインやパターンはオーセンティックなものが多くなりがちになり、結果同業者でのコモディティ化(市場価値の低下)がすすみ、結局はファクトリーブランド同士の価格競争が発生してしまいます。ウメダニットのディレクター梅田大樹氏は、自社の強みを理解し、ソフト面(表現力)をうまくディレクションしているように思えます。
高い技術と時代性を汲み取る能力。高い次元でのファッションとしてのアウトプット。均一化したアパレルにおいて非常に力強い一手を打ち出したラッピンノット(wrapinknot)は、これからのファクトリーブランドの新しい姿を示しているブランドだとstructは考えます。
ですがウメダニットのようなケースは多くはないと思います。それは工場内に梅田大樹氏のような理解者がそう多くは存在しないだろうと思えるからです。
工場と外部ディレクターの取り組みによるファクトリーブランドは多くありますが、社内でその舵取りが出来る人間はそう多く存在しません。反面そのような人物がいるとその工場のブランドは非常に潤滑に進むことになります。
氏が語るように、社内直結だからこそ出来る目に見えにくい部分、技術的な判断や仕上がりのチェックが毎日出来る。その結果に高い完成度の製品が生み出され続けることになるからです。
培われた技術と高い開発力
ラッピンノット(wrapinknot)を手にしたとき、まず圧倒的な素材の良さが伝わります。ごわつきがなくしなやかな肌触りはこれまでにない他のニットとはあきらかな差異を明らかにさせます。
そして袖を通すと、計算されつくしたパターン設計、デイティールは着るものに美しいシルエットを与えてくれます。服自体は非常に特徴的なのですが、着用すると不思議なほどにしっくりなじんでいくのもこのラッピンノットのもつ表現力の高さが現れています。
そして着心地はトップス、ボトムスも比較的ゆとりある設計でストレスのない着用感です。さすがハイブランドの商品を手がけていることあって、どの商品も非常に高い次元での素材、デザイン力、実用性を兼ね備えていると感じさせてくれます。
このレベルの製品(ブランド)はそう他に数多く見られることはありません。自社が独自の開発力を兼ね備えているからこそ初めて出来るブランドなのだと思います。
ストラクトは、高い次元でのデザイン性と技術を兼ね備えたラッピンノット(wrapinknot)をこれからのファクトリーブランドとしてみなさまにとどけようと、2017SSより取り扱いをスタートすることになりました。
少々長文となりましたので今季取り扱い商品の紹介は別記事にてご紹介したいと思います。
(KJ)
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