日本製レザースニーカー「blueover」のこと / その.4
前回からのつづきです。
前回はこちら☟
「ブランドのこと」日本製レザースニーカー「blueover」のこと / その.1
「製造のこと」日本製レザースニーカー「blueover」のこと / その.2
「製品のこと:ソールついて」日本製レザースニーカー「blueover」のこと / その.3
今回も、製品のディティールについてです。
blueoverのスニーカーのラスト(靴の木型)はオリジナルです。ラスト職人さんにお願いして、木から削り出ししています。
ラスト(靴の木型)とは、靴の形状を決める、とても重要な道具です。これが少しでも変われば、まったくちがう印象のフォルムになったり、足入れの広さも変わります。
「靴の善し悪しはラストが決める」と言われるくらい靴作りにおいて、木型はとても重要な物です。
blueoverのスニーカーも、職人さんが嫌がるほど何度も設計を調整し、納得のオリジナルラストをつくりあげました。ラスト設計にこだわったのは以下の点です。
・「現代の日本人の足にあう幅広甲【低】」
・「日本人のスタイリングにあう形状」
・「革の伸びを想定して通常のスニーカーにくらべると少し小さめ」
今日は「日本人の足にあう幅広甲【低】」について少しお話をさせていただきます。
日本人の足は一般的に、幅が広く、甲が高いとされています。毎日ストアでお客様に靴をフィッティングして頂いてもらっていますがそういう足の形状をされている方も少なくはないです。
しかし、だから「日本人の足は幅広甲高」だ! と言い切るにはどうでしょうか。
もともとスニーカーや革靴は海外生まれの物です。今でこそ日本人の足に合わせた物が出回っていますが、昔はあまり多くありませんでした。ヨーロッパ系の人の足に合わせて、幅が細く、長さがあるものが多いのはそのためです。
そういう靴のフィッティングでよくありがちなのが、足の長さを合わせると、幅がキツくなるので、大きいサイズにして幅を合わせて、長さを余らせて大きめで履く方がいます(見栄えを良くするために大きめを選ぶ人もいますね)。
そんな思い込みでサイズを選んでしまうと、靴のなかで足が動いてしまうため、靴がぐらついてしまいます。そしてこんな靴を履くと、ぐらついた靴を調製しながら歩くため、足がとても疲れますし、靴底と地面の接地も理想的じゃなくなるため、ソールの減りが早くなります。
数年間お店をやってフィッティングを見ていきますと、確かに幅広の人は多いですが、甲の高さが特別に高い方は見受けられないように思います。
オフィスワークがメインとなった現代では、幅広甲高=日本人という認識は少しずつ古いものになっていったようです。
せっかく気に入って買ったのに、疲れやすかったり、すぐ底がダメになってしまったら、とてもイヤですよね。なのでそうならないように、blueoverのラストは「幅広甲【低】」で設計しています。
つま先が広く空間があれば、履きやすいと勘違いしてしまうところも問題かと思っています。
(なのでmikeyのウィズ(足囲)は、横幅は広い形ではありながら【D】となっています)
mikey(マイキー)とmarco(マルコ)とkopori(コポリ)の木型は
すべておなじ設計のラストを使っています。
そのためサイズが合った物は、他のモデルでも履いて頂けます。
(ソールやインソールが違いますので、多少足入れ感は変わります。)
こだわって作り上げたラストをもとに、
これからも色んなモデルに挑戦していきたいと思っています。
さて、今日はここまで。
次も製品ディティール「日本人のスタイリングにあう形状」について、
まとめたいと思います。
◎前回の記事☟
「ブランドのこと」日本製レザースニーカー「blueover」のこと / その.1
「製造のこと」日本製レザースニーカー「blueover」のこと / その.2
「製品のこと:ソールついて」日本製レザースニーカー「blueover」のこと / その.3
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